錦です。
NVIDIAは、モバイル向けのエントリクラスGPU「GeForce RTX 3050」と「GeForce RTX 3050 Ti」を正式に発表しました。
エントリクラスで初めてのRTX
GeForce RTX 20シリーズにはエントリ向けのモデルがなく、Turingアーキテクチャを採用したモデルについては、GTX 1050シリーズの後継としてGTX 16シリーズが新たに追加されました。GTX 16シリーズはRTX 20シリーズの下位モデルで、GPUアーキテクチャは共通ですが、機械学習を司るTensorコアとレイトレを司るRTコアが省かれていました。
今回登場した「GeForce RTX 3050」シリーズは、初めてエントリクラスでRTX(リアルタイムレイトレーシング)に対応するモデルになっています。その他、Tensorコアを利用したDeep Learning Super Sampling(DLSS)にも対応しており、機械学習を利用したノイズキャンセル「RTX Voice」などの機能なども利用することができます。
一応、製品の流れ的にはRTX 3050がGTX 1650、RTX 3050 TiがGTX 1650 Tiの後継です。
RTX 3050/RTX 3050 Ti
RTX 3050とRTX 3050 Tiは前述の通りAmpere GPUの中ではエントリクラスを担います。GPUアーキテクチャはAmpereアーキテクチャ。GPUコアはGA107だと予想されています。GA107の製品は初めてです。
搭載される機構として、レイトレのアクセラレータには第2世代のRTコアが、機械学習には第3世代のTensorコアがそれぞれ搭載。その他、第5世代ビデオエンコーダと第7世代デコーダが搭載されています。
CPUとの接続はPCIe 4.0 x8にアップグレード。映像出力にはHDMI 2.1、Display Port 1.4aをサポートし、最大8K60fps HDRまたは4K120fps HDRをサポートします。
仕様は以下の通り。
RTX 3050 | RTX 3050 Ti | RTX 3060 | RTX 3070 | RTX 3080 | |
---|---|---|---|---|---|
SM数 | 16 | 20 | 30 | 40 | 48 |
CUDAコア | 2048 | 2560 | 3840 | 5120 | 6144 |
クロック | 1057-1740MHz | 1035-1695MHz | 1283-1703MHz | 1290-1620MHz | 1245-1710MHz |
メモリ容量 | 4GB GDDR6 |
4GB GDDR6 |
6GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
8GB/16GB GDDR6 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス | 128bit | 128bit | 192bit | 256bit | 256bit |
消費電力 | 35-80W | 35-80W | 60-115W | 80-125W | 80-150W |
既出のモバイル向けRTX 30同様に消費電力が多段階となっており、各デバイスの熱設計に合わせて最適なクロックを実現することができます。NVIDIAは、メーカーに対して、消費電力と期待できるクロックを公表するように義務付けているので、おそらく搭載デバイスにはクロックと消費電力が記載されるものと見られます。
メモリがGDDR5からGDDR6に強化されています。それに前述のアーキテクチャの更新なども合わせてGTX 1650 Tiと比較したとき、GPU性能が50%向上しているとのこと。これに加えてDLSSの性能向上も合わさるので著しい性能の向上が見込まれます。また、RTコアが搭載されているのでリアルタイムレイトレーシングが利用可能になっています。NVIDIAは、DLSSとRTXを組み合わせてRTXが有効な状態でも60fpsでのゲーミングが可能としています。
その他、レイテンシを削減する「Reflex」、CPUがvRAMに容易にアクセスすることができる「Resizable BAR」、AIを利用して電力を動的に監視しCPU・GPU・RAMに最適な電力を供給して性能を高める「Dynamic Boost 2.0」などに対応しています。
すでにASUSやMSI、RazerやDellなどからRTX 3050 Ti搭載デバイスが発表されています。モデルによっては同時に発表されたIntel Coreシリーズ「Tiger Lake-H」と共に実装されているモデルもあります。
Source:PC Watch・VideoCardz