錦です。
台湾・工商時報がApple Siliconについて、今後のロードマップを取り上げています。
アップデートサイクル
Apple WWDC20でMacのApple Siliconへの移行を発表した後、移行期間を2年と宣言しています。つまり、WWDC 20から2年経つ2022年6月(あるいは初めて製品が登場した2020年11月からの2年後である2022年11月)までに移行を完了させるということになります。
現在、Mac向けApple SiliconはM1とそのスケールアップ版であるM1 Pro・M1 Maxが投入されています。
同サイトによると、Mac向けのApple Siliconは18ヶ月ごとの更新になるとのこと。iPhone向けのApple Siliconが1年おきなので、やや期間は長くなっています。
Macのラインアップ再編
そして、関係者の話によるとMacは2022年以降にラインナップが再編され6つのラインナップに整理されるとのこと。
ノートパソコンがM2搭載のMacBookとその上位であるM2 Pro/M2 Maxを搭載したMacBook Proの2ラインナップに、オールインワンMacがiMac 24インチと27インチiMacの後継となるiMac Proに、デスクトップ型がMac ProとMac miniにといった感じです。
ノートパソコンのラインナップが2つに分けられていますが、MacBook AirやMacBook Pro 13"が廃止されるということになるのかは不明。これがあくまでも大まかな棲み分けであるのなら存続するとは思いますが(ただ、現在のラインナップでもMacBook Pro 13インチの立ち位置はちょっと微妙なところ)。
ロードマップ
Appleは2022年までに全てのMacをApple Siliconに置き換えます。これはどうやら確定事項であり、まだIntel CPUを搭載しているiMac 27インチやMac mini、Mac Proなどのハイエンド陣も2022年中にApple Siliconに置き換わります。
18ヶ月のサイクルの話をさきほどしましたが、M2とM3はその流れに沿います。
Apple M2/M2 Pro/M2 Max
まず、2022年後半にApple M2チップ「Staten」が搭載します。おそらく、MacBook AirやMacBook Pro 13インチとともに登場することになるのでしょう。そして、M2の上位のアーキテクチャ「M2X」を採用したコードネーム「Rhodes」で揮発されているい「M2 Pro」「M2 Max」は2023年前半に登場することになるそう。
M2プロセッサ自体はほぼ完成しているそうで、TSMCの4nmプロセスを採用する見込みです。すでにMediaTekがTSMC 4nmを採用しているのでAppleにしては珍しく後発になります。ちなみにTSMC 4nmは5nmのマイナーアップデートに親しい存在となっています。
Apple A16
そして、MacではなくiPhoneに話が変わります。2022年登場のApple A16は、CPUはこれまで通り6コアですが、A15と同様にGPUのコアの違いによって2つのバリアントにわかれるそう。また、LPDDR5メモリやデュアルバンド5G、Wi-FI 6Eなどのテクノロジーを採用するとのことです。
Apple A16もM2同様にTSMC 4nmで製造されます。
Apple M3
M2の後継であるM3についても軽く触れられており、M3はTSMC 3nmで製造されるとのこと。
3nmプロセスは一応メジャーアップデート扱いになっていて、大幅な性能向上が期待できます。M2が2022年前半に登場するとすると、18ヶ月後は2023年後半あるいは2024年前半になるみたい。主な競合となるのは、Raptor LakeやLunar Lake、Zen 6などになるのでしょうか。
Apple
M3までの話しかこれまでにも登場していませんので、もしかしたらM4はまだ検討段階なのかもしれませんね。
アーキテクチャの話になりますが、Apple M1はApple A14をベースにしています。Apple Aシリーズが1年、Apple Mシリーズが1.5年のサイクルでアップデートするとなると、多分1年おきにMシリーズとAシリーズが対応するということになりますね。Apple A15が対応しない世代だとすると、Apple M2のベースはApple A16になるのでしょう。製造プロセスから見てもA16とM2は同じ世代になりそう。ちなみに、Apple M1 Pro/M1 Maxは、Apple M1をスケールアップしたものなので、A15のあとに登場していますが中身はA14と同じです。
こういう話になるとA14やA16はスケーラブルで、A15はスケール出来ないのかなと思ってしまいますが。
ところでA15ってLPDDR5でしたっけ。M1とA14はLPDDR4Xで、M1 ProとM1 MaxはLPDDR5なんですよね。AppleはなぜかLPDDR5のサポートが遅かった印象があります。用途とかチップ的に確かにLPDDR4Xでも十分な気がしますが、新規格には対応すべきだと思います(どこぞのIntelとかいう会社はLPDDR3使い倒してましたけど)。
18ヶ月のリリースサイクル。どうしてもムーアの法則を思い出してしまいますよね。割と忠実にムーアの法則に沿っているのは、実はTSMCとSamsung、そしてそれらを使うAppleやQualcommのようなファブレス企業なのかもしれませんね・・・・。でもTSMCも3nmへの移行が若干遅れ気味なんですよね。IntelがIDM 2.0なんて自社工場を開放する取り組みを発表していますが、Intel製Apple Siliconなんて実現するのでしょうか?両方のファンなので期待していしまいます。