錦です。
Microsoftは昨夜、Surface Pro 9を正式に発表しました。
Surface Pro 9
Surface Pro 9は、Surface Pro 8およびSurface Pro Xの両方の後継となるタブレットPCとなっています。
5G対応モデルと非対応モデルが有り、前者が新しいMicrosoft SQ3プロセッサ、後者には第12世代Core「Alder Lake-U15」を搭載しています。これはすなわち、Surface Pro 8の後継は5G非対応モデル、Surface Pro Xの後継が5G対応モデルであるということになります。ちなみに5G対応モデルはSQプロセッサが採用されたSurfaceとして初めての大型アップデートとなっています。
プロセッサ
ではまずプロセッサを見ていきましょう。
先に、5G非対応モデルのプロセッサからお話していきましょう。5G非対応モデルではAlder Lakeの「Core i5-1235U」(2P8E/12T P:1.3GHz~4.4GHz)または「Core i7-1255U」(2P8E/12T P:1.7GHz~4.7GHz)を選ぶことができます。Surface Pro 8が第11世代Tiger Lakeを採用していましたので、CPUは順当なアップデートとなっていますが、Surface Pro 8が28Wプロセッサとなっていたのに対して、本モデルは15Wプロセッサになっています。消費電力が下がったことで性能が下がったと心配になりますが、第12世代の性能向上幅はそれ以上なので問題はないでしょう。
もちろん、第12世代Coreプロセッサで採用されている「Intel Hybrid Technology」も有効で、これらのプロセッサのコア数はいずれも2P8E(10C12T)となっています。総スレッド数は向上しています。
CPU Pコア |
CPU Eコア |
コア/ スレッド |
Pコア ベース |
Pコア ブースト |
Eコア ベース |
Eコア ブースト |
iGPU | EU | iGPU クロック |
L3 キャッシュ |
PBP (TDP/PL1) |
MTP (PL2) |
価格 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
i7-1255U | 2 | 8 | 10C/12T | 1.7GHz | 4.7GHz | 1.2GHz | 3.5GHz | Iris Xe | 96 | 1.25GHz | 12MB | 15W | 55W | |
i3-1235U | 2 | 8 | 10C/12T | 1.3GHz | 4.4GHz | 0.9GHz | 3.3GHz | Iris Xe | 80 | 1.20GHz | 12MB | 15W | 55W |
GPUには、CPU内蔵のIntel Iris Graphicsが採用されています。CPU内蔵といっても最近のIntel iGPUはXeアーキテクチャがベースになっているのでぜんぜん使えるはずです。実行ユニットの数も96基または80基となっています。
なお、企業向けモデルについては、やや性能が高い「Core i7-1265U」または「Core i5-1245U」をそれぞれ採用しています。また、ストレージが256GB以上のモデルではIntel Evoプラットフォームを採用しています。
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一方で、5G対応モデルはMicrosoft SQ3プロセッサを搭載します。これは、Microsoft SQ2の後継となるチップで、QualcommのSnapdragon 8cx Gen 3をベースに改良されていると見られるプロセッサです。これを裏付ける情報としては、Microsoftが公開している技術仕様にてグラフィックスが「Microsoft SQ® 3 Adreno™ 8CX Gen 3」とされていることがあげられます。
SQプロセッサは8cxよりもややクロックが高めに登場することがおなじみとなっており、8cxが3.0GHzで駆動しているところを考えると、3.2GHzくらいで登場するのかな?
ちなみにコア構成は4基のプライマリコア、4基の性能コアとなっていると見られます。もし8cxと仕様がコア構成が同じなのであれば、プライマリコアにはCortex-X1、性能コアにはCortex-A78がそれぞれ採用されているものと見られます。
それ以外の情報は明らかになっていました。
メモリ
メモリですが、こちらも5Gモデルと非対応モデルで仕様が異なります。
まず非対応モデル(Intelモデル)は、LPDDR5メモリの8GB、16GB、32GBが展開されています。DIMMではなくオンボードのようです。
5Gモデルでは、LPDDR4xメモリが8GBまたは16GBで展開されています。こちらもオンボードのようです。
ストレージ
Surface Proは数世代前から換装可能なリムーバブルSSDとなっていましたが、今世代も引き続きリムーバブルとなっています。これは、5Gモデルも非対応モデルも両方とも共通です。
ただし、ラインナップが異なります。両方とも128GB/256GB/512GBの展開もありますが、5G非対応(Intel)モデルのみ1TBのラインナップががあります。
ディスプレイ
ディスプレイは両者共通となっております。
120Hzリフレッシュレートで駆動する13インチのPixelSese Flowディスプレイで、解像度は2880 x 1920ピクセルの3:2ディスプレイで密度は267ppiとなっています。コントラスト比は1200:1の液晶となっています。10点マルチタッチに対応する点やDolby Visonに対応する点も大きな変更点はありません。
接続
汎用接続はUSB4とThunderbolt 4をサポートするUSB-Cポートが2ポートとなっています。そして、アクセサリとの接続部分としてはSurface ConnectポートとSurface キーボードポートがそれぞれ搭載されています。そして、5Gモデルではnano SIMスロットが搭載されています。
ワイヤレスでは、Wi-Fi 6とBluetooth 5.1をサポートしています。
5Gモデルは5G Sub-6に対応します。対応するバンドとしては、5Gがn1/n2/n1/n2/n3/n5/n7/n8/n20/n25/n28/n38/n40/n41/n66/n71/n77/n78/n79、4G/LTEが1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28/29/30/38/39/40/41/42/46/48/66/71となっています。nanoSIMスロットが搭載されていますがeSIMにも対応しています。
iPhone同様、米国でのみmmWaveに対応しています。
タッチについてはSurfaceスリムペンのほか、Microsoft Pen Protocolに対応したスタイラスペンなら使用することができます。また、既存のSurface Proキーボードや、Surface Pro Xキーボードも引き続き利用することができます。
個人的に少し気になるのが、Surface Dialに対応するって言う文言が一切ないんですよね。あとイヤフォンジャックも搭載されていないみたいです。
セキュリティ
セキュリティについては5G対応非対応で若干異なる対応となります。両方とも、Windows Helloによる顔認証に対応します。
一方違いがあるのがセキュリティチップの方で、5G非対応(Intel)モデルではTPM(企業向けではHW-TPM)が搭載されているのに対して、5G対応モデルではMicrosoft Plutonに対応しています。実質的に5G対応モデルではWindows以外のOSをインストールできない可能性が高いです。
筐体サイズと重量
筐体サイズと重量は5Gの対応問わずほぼ一致しています。
筐体サイズは共通で長さx幅x厚みが287 x 209 x 9.3(mm)となっています。重量は、5G非対応モデルは879g、5G対応モデルは878gとなっています。
発売と価格
すでに予約が開始されており、10月25日似発売される見込みです。
価格は、5G非対応モデルが162,580円〜、5G対応モデルが216,480円〜となっています。