Nikkei Asia及び日本経済新聞が、TSMCが日本に建設する計画の第2工場にて、6nmプロセスの製造を計画していることを報じています。
TSMC日本工場
TSMCは、デンソーやソニーとの合弁かつ、日本政府の支援によって、熊本県に同社初の日本での生産拠点の建設を進めています。第1工場は2024年夏に稼働予定で、12/16nmFinFETプロセスと22/28nmプロセスという、比較的成就したプロセスでの生産を予定しています。
また、第2工場が現在計画されていることが複数のメディアが報じており、第1工場が建設される熊本県菊陽町も誘致を進めています。TSMCの立場としては、第2工場も日本政府からの補助金が前提としていました。経済産業省はTSMCに対して9,000億円の補助金を決定、その他、Intelの後工程やソニー、Rapidusなどに向けても合わせて3.5兆円の補正予算で補助するとしており、米国の8兆円、欧州の6兆円の補助金に対抗できる補助を行う方針であると見られます。
今回新たに報じられた内容としては、9000億円のついか補助と、TSMCの日本第2工場で6nmプロセスの製造が行われる計画があることです。
6nmはTSMC 7nm世代の比較的新しいプロセスルールで、AMDがRyzenの一部製品に採用している他、PlayStation 5のチップにも用いられています。第1工場は基本的にソニーやデンソーなど、国内の需要に対応するものですが、TSMC 6nmが日本で製造されたとして、顧客がどこになるのかは不明です(SIEも親会社こそ日本だけど拠点はアメリカだし)。
ちなみに、TSMC 6nmが実現すれば、TSMCの一桁nmの製造能力を持つ拠点として、台湾・米国に続く3拠点目になり、日本の生産拠点の重要性がさらに高まることが予想されます。