キヤノンは、同社が開発を進めてきたナノインプリント(NIL)技術を利用した半導体製造装置である「FPA-1200NZ2C」を発売しました。
ナノインプリント
FPA-1200NZ2Cは、キヤノンのNIL技術を採用した半導体製造装置です。従来の投影露光装置は、ウェハ上に塗布されたレジストに光を照射し回路を焼き付けていたのに対して、同製品は、ウェハ上のレジストに回路パターンを刻み込んだマスクを直接はんこのように押し付けて回路パターンを形成しています。光学系という介在物がないため、マスク上の微細な回路パターンを忠実にウェハ上に再現できるとしています。そのため、複雑な2次元、3次元の回路パターンを1回のインプリントで形成する事ができます。
NIL技術では、既存の最先端ロジック半導体製造レベルの5nmにあたる最小線幅14nmのパターン形成ができ、マスクを灰緑することで2nmにあたる最小線幅10nmレベルへの対応も期待されています。
さらに、投影露光装置と比較して、消費電力は大幅に削減できるとシており、CO2の低減にも貢献するとしています。
半導体以外の使用用途もあり、数十nmの微細構造であるXR向けメタレンズなどの性能も可能であるとしています。
同社のホームページには、キオクシアの四日市向上で量産性の検証を行っている画像が公開されています。