AMDは「EPYC 4004」シリーズを発表しました。
EPYC 4004
EPYC 4004は、中小企業向けのEPYCラインナップです。EPYCということでサーバー向けですが、ソケットはRyzenなどと共通のAM5ソケットとなっており、システム全体で安価に構築できる利点があります。競合としては、同じくコンシューマー向けと同じソケットで利用できるXeon E-2400となります(チップセットに互換性はありませんが)。
AM5ソケットということで仕様もRyzenと似ており、Zen 4 CPUを4コア~16コアで展開されています。TDPも65W~170WとRyzenと共通となっています。また、Ryzen 7000シリーズ同様、小規模ながらRDNA 2ベースのGPUも内蔵しており(EPYC初)、DisplayPorts 2.0あるいはHDMI 2.1での画面出力に対応しています。
CPUが16コアということで、Windows Serverを購入する場合でも最小のライセンスが選択できる様になっています。
メモリは、ECC対応の2chのDDR5で、最大192GBまでサポートします。PCIe 5.0が28レーン搭載されているのも特徴です。USB 3.2 Gen 2x2(20 Gbps)にデフォルトで対応し、オプションでUSB4(40Gbps)にも対応します。
AMDはRyzenシステムをサーバー製品として利用する「Ryzen for Server」を提供していますが、今回はCPUもEPYCで明示的にサーバーラインナップに加えられた形となります。EPYCに変更されたことに合わせて、ソフトウェアRAID機能などが搭載されています。基本的に中小企業の小型サーバー向けということもあり、マルチソケットには対応せず、シングルソケットのモデルのみとなっています。
価格は、最上位のEPYC 4564Pあるいは、EPYC 4584PXでも、1000個注文したときの単価が699ドルとサーバー向けCPUとしては非常に安価に入手できます。
ラインナップ
ラインナップの命名法則として、千の位がグレード、今回の場合、安価モデルとして4が振られています。百の位がコア数、十の位が性能、一の位が世代を示しています。末尾のアルファベットがシングルソケットモデルかどうかと3D V-Cacheモデルであるかを示しています。Pがついていればシングルソケットモデル、Xがついていれば3D V-Cacheモデルとなっています。
といっても、今回のラインナップは全モデルがシングルソケットモデルとなっていますので、全てのモデルにPがついています。
コア/ スレッド数 |
ベース クロック |
ブースト クロック |
L3 | TDP | 千個注文 時の単価 |
|
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4564P | 16C/32T | 4.5 GHz | 5.7 GHz | 64 MB | 170W | $699 |
4464P | 12C/24T | 3.7 GHz | 5.4 GHz | 64 MB | 65W | $429 |
4364P | 8C/16T | 4.5 GHz | 5.4 GHz | 32 MB | 105W | $399 |
4344P | 8C/16T | 3.8 GHz | 5.3 GHz | 32 MB | 65W | $329 |
4244P | 6C/12T | 3.8 GHz | 5.1 GHz | 32 MB | 65W | $229 |
4124P | 4C/8T | 3.8 GHz | 5.1 GHz | 16 MB | 65W | $149 |
4584PX | 16C/32T | 4.2 GHz | 5.7 GHz | 128 MB | 120W | $699 |
4484PX | 12C/24T | 4.2 GHz | 5.6 GHz | 128 MB | 120W | $599 |