NVIDIAは昨日開催したCOMPUTEX TAIPEIの基調講演にて、「Blackwell」GPUの展開と、今後のロードマップを明らかにしました。
Blackwell
GTC 2023にてBlackwell GPUとともに「NVIDIA B200」「NVIDIA GB200 Superchip」がそれぞれ発表されましたが、初めて対面でそのダイが明らかになりました。
そして、今回注目したいのが、Blackwellの今後の展開です。Blackwellは年内にも出荷される計画となっていますが、来年にはBlackwellのマイナーアップデートである「Blackwell Ultra」が投入される計画であることが改めて明らかになりました。これは、Hopper世代でH100のあとにH200が登場したのと似たアップデートとなっており、改良版ということになります。
Blackwell Ultraでは、8スタックの12層HBM3eの互換性を実現することによって性能が向上する見込みです。
NVIDIAの計画として、AI向けのGPUを1年ごとに更新していくことでNVIDIAのAI地盤を確実に固めていく方針であることが伺えます。つまり、Blackwellが今年登場し、Blackwell Ultraが2025年に登場するということになります。
また、現在Blackwell Ultraプラットフォームは1800GB/sのファブリック「NVLink 5」、NIC「CX8 SuperNIC」、スイッチ「Spectrum-X800 Ethernet Switch」、「Quantum-X800 Switch」で構成されていますが、この内、Blackwell Ultraでは「Spectrum Ultra-X800」となることが明かされました。GPUと同様にイーサネットネットワーキング需要に応えるため「Spectrum」も毎年リリースするロードマップにしたことを明らかにしました。
Rubin プラットフォーム
そして、Blackwell Ultraの翌年、2026年には次世代のアーキテクチャ「Rubin」を投入します。Rubinについてはそれほど多くのことが語られませんでしたが、後述する「Vera」CPUと合わせた新しいプラットフォームが形成されることになります。
Rubin GPUでは、8スタックのHBM4メモリが採用されています。おそらく製品名は「R100」、GPUは「GR100」という風になることが予想されます。
Rubinプラットフォームにおいて、NVLinkの帯域幅は3,600GB/sという非常に高い帯域を有していることも明らかにされました。また、「CX9 SuperNIC」は1,600 Gbpsの帯域に進化します。性能については明かされていませんが、先述の通り毎年リリースのロードマップが明かされたイーサネットスイッチ「X1600」もRubinプラットフォームで登場します。
Rubin Ultra
さらに、2027年にはRubinのマイナーアップデートである「Rubin Ultra」が導入され、これで2027年まで1年ごとの製品投入が実現することになります。
Rubin Ultraは、12スタックのHBM4をサポートする計画となっています。
Vera CPU
Rubinプラットフォームでは、CPUもGraceから一新され新たに「Vera」CPUが導入されます。これについてはほとんど情報が明かされていません。
ちなみに、VeraもRubinも数学者であるVera Rubin氏に由来するものと見られており、Grace Hopper同様にCPUとGPUで一人のファーストネームとセカンドネームを使用した世代となっています。