錦です。
Qualcommは、現在ハワイで開催されている「Snapdragon Tech Summit」にて、次世代ハイエンドSoC Snapdragon855を発表しました。
仕様
仕様として、Snapdragonシリーズ初の7nmプロセスルールであることが挙げられます。Huawei Kirin980 AppleA12/A12Xに次いでの登場です。そして、TSMC。
A76をベースにカスタムされたARMベースプロセッサで、GPUにはAdreno640を採用しています。
CPU Kryo485
CPUコアは、Kryo485で、64bit 8コアになります。
この8コアは3つに分かれており、1+3+4となっています。1コアは最大2.84GHz(プライムコア)、3コアは最大2.42GHz(パフォーマンスコア)、4コアは最大1.8GHz。
これは、Apple Aプロセッサのような高性能コア+高効率コアという仕組みのうち、高性能コアのひとつをプライムコアというもう1つ上の性能をもつコアに進化したという事のようです(厳密には異なる)。
システムキャッシュは3MBから5MBに増えています。
メモリは、LPDDR4xメモリに対応。最大2,133MHzで動作します。
公式の発表によればKryo485は、Snapdragon845に搭載される、Kryo385から45%性能が向上してるとの事です。
GPU Adreno640
Adrenoも630から640に変わっている。内蔵FPのALUは50%増加、20%の性能向上との事です。
OpenCL2.0 FPに加えて、Vulkan1.1に対応しています。Vulkan1.1はモバイル向けGPUで初めての対応です。
HDR10+、HDR10、HLG、Dolby VisionなどのHDRの各規格もサポート。
H.265/VP9のハードウェアデコーダを搭載しており、H.265やVP9に対応した動画を再生するときに、より低い消費電力で再生することができるそうです(保存動画やYouTube)。
ワイヤレス
Snapdragon855自体には、4Gモデルでは、Snapdragon X24 LTEモデムが搭載されていていますが、5Gにも対応しており、別途Snapdragon X50 5G Modemと組み合わせることで対応します。
スマホメーカーは、4Gのみ対応する場合はSnapdragon855のみ搭載すればいいし、5Gも対応させたい場合は、別途5Gモデムを利用する必要があります。
WiFi 6(802.11ax)やIEEE 802.11ayなどの新世代規格にも対応しています。
IEEE 802.11ayは最大176Gbpsの通信速度を実現します。
これにより、WiGigでは対応が難しかった4Kなどの送受信も可能になるという事のようです。
今後2019年春より搭載端末は登場し、最近ニュースを見ないWindows10 ARMにも搭載されると思われます。