錦です。
AppleとIntelは、Appleが、Intelのスマートフォン向けモデム事業を買収したと発表しました。
買収
今回の買収により、Intelの約2200人の従業員が、知的財産、設備、リースとともにAppleに入社することになります。両社によると、この取引は2019年第4四半期に完了する見込みで、規制当局の承認およびその他の慣習的な条件(労使協議会および特定の法域でのその他の関連する協議を含む)を前提としていると説明しています。
この買収による、Appleが新たに取得する特許は17,000を超え、その中には、携帯電話のプロトコルからモデムアーキテクチャ・モデム動作までのワイヤレステクノロジーの特許が含まれています。
なお、Intelは今後、パソコン・IoTデバイス、自動運転車などのスマートフォン以外のプラットフォームへのモデム開発事業を維持していきます。ですので、今後、Intel製モデムが消え去るわけではありません。
2021年頃からの採用か
Appleは現在、Intelからモデムを供給していましたが、この買収により自社モデムの開発が可能になります。ただ、今年春には、2017年頃から続いていたQualcommとのモデム関連の特許に関する訴訟に決着がついており、今後少なくとも1-2年はQualcomm製モデムを使用するものと見られます。
このIntelからのモデム事業は、iPhoneやiPadといったモバイルデバイス・ウェアラブルに採用されていきます。iPhoneの5G対応は少なくともQualcomm製モデムを採用した後に始まるので、今回の買収がiPhoneの5G開始の時期に影響を及ぼすものではないと思われます。