錦です。
Qualcommは投資家向けイベント「Investor Day 2021」にて、ArmベースのPC向けSoCを今後9ヶ月後程度で出荷し、2023年にはこのSoC搭載のWindows PCが発売されると話しています。
Nuvia
Qualcommが開発しているSoCは1月に買収したNuviaという企業のチームが開発しているとのこと。このNuviaは、もともとAppleでApple A12XやApple M1の設計に関わった従業員が設立した会社です。
ITmedia NEWSによれば、Apple Mシリーズに匹敵するソリューションであるとスライドで示されていた模様。Armベースの電力効率の良さから、「最高の性能を最低の電力で提供する」とQualcommの最高技術責任者 ジェームズ・トンプソン氏が述べています。
グラフィック
Qualcommは、GPUについても、Adrenoをスケールアップさせて将来のQualcomm SoCを搭載したPCでデスクトップクライスのゲーム機能を提供すると約束しています。つまりは、DirectXのフルサポートのようなことが今後起こり得るのかもしれません。
ちなみにArmとGPUの話では、NVIDIAがArmベースのSoCでもGeForceなどのRTX GPUを用いればリアルタイムレイトレーシングやDLSSのような機能が利用できるようにアップデートしたことを明らかにしてます。その他、Samsungはまもなく登場する次期Exynosで、AMDのRDNA 2ベースのGPUを搭載し、モバイル向けArm SoCで初めてハードウェアベースのレイトレーシングに対応することを明らかにしています。
これらの話題は、dGPUや他社技術を用いた方法ですが、Qualcommは今の所、Apple同様に自社のGPUをスケールアップして性能を高める方針を掲げています。実際、AndroidスマートフォンではSnapdragon 888などで非常に高いゲーム性能を発揮しており、Windowsでもスマホレベルには達しなくとも、それが発揮できるとは考えられます。
Windows on Qualcomm
QualcommがWindows向けのSoCを発表するのはこれが初めてではなく、Snapdragon 850から始まり、8cx、8cx Gen 2が今の所Snapdragonブランドから登場しています。その他、廉価グレードで、Snapdragon 7c/8cというものも登場している他、Microsoftと共同開発という名目で、Surface Pro X向けにMicrosoft SQシリーズのSoCがこれまでSQ1とSQ2の2モデル登場しており、数世代でいくつかのラインナップがすでに用意されていますが、そもそもWindows 10でのArmからx86/x64へのエミュレートが32bitにしか対応していない問題があったり、WindowsのPC市場としてはIntelやAMDのほうが圧倒的に優勢であったため、ネイティブ対応するアプリやソフトが少なくプラットフォーム自体が脆弱という問題があり普及には至りませんでした。
ただ、AppleがApple Siliconへの以降を発表を行ったあと、MacでのArm移行に乗じてWindows側でもArm移行が行われているアプリが少なからず存在しています。また、Windows 11では、x64(64bit)エミュレートにも対応しており、Windowsでも今後Armが普及するのを期待したいですね!