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QualcommとArmの法廷闘争、Armの訴え退けるも一部で決着つかず 〜 Qualcommは勝訴主張もArmは裁判継続を主張

3行まとめ

ArmがQualcommに対して、ライセンス違反で提訴している問題で、Armの訴えを認めないという判決が下ったことがわかりました。しかし、部分的に決着がついておらず、Armは新たな裁判を起こすと主張しています。

裁判

この問題は、QualcommがNuviaというファブレス半導体メーカーを買収したことが発端です。このNuviaは、Appleから独立したエンジニアによって設立された企業です。

Armは、Arm ISAとそれをベースにしたCPU設計(IP)を開発し、他社にそれを使用するライセンスを販売しています。ライセンスには、ISAが利用できる(IPを自社で開発する)ライセンスと、IPが利用できるライセンスの2種類が用意されています。NuviaはISAが利用できるライセンスを、QualcommはIPが利用できるライセンスをそれぞれ契約しています。

Qualcommは、買収したNuviaのライセンスと技術を利用して「Oryon」というオリジナルIPを開発し、「Snapdragon X」シリーズSoCを発売しました。

この裁判は、ArmがこのNuviaのライセンスを用いてQualcommが製品開発を行うのはライセンス違反であるとして、Nuviaの設計を放棄することとを求めているものです。

判決

判決は、基本的にQualcommの勝訴となっています。

これにより、QualcommがArmの技術をベースとした製品の開発と出荷を続けられることになり、懸念されていたQualcomm製品の出荷への影響もおおよそ払拭されたこととなります。

しかし、Nuviaによるライセンス違反について、陪審員の一致した結論ができなかったため、一部の判決については無効審理としました。

これを受けてArmは、新たな審理を求めるとしており、両社の争いが再度巻き起こる可能性もありそうです。

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