錦です。
阪急阪神ホールディングスが20日発表した決算・長期ビジョンの説明会資料の中で発表された中期経営計画について、鉄道プレスによると有料座席について触れられていることがわかりました。
阪急の有料座席
関西地方の私鉄では、最近有料座席の導入が続いています。近鉄やJR、南海の有料特急だけでなく、泉北高速鉄道の泉北ライナーや京阪のプレミアムシート・ライナー、そしてJR新快速のAシートが挙げられます。
そして、阪急阪神については2021年の2月に有料座席を阪急京都線に導入することを健闘していると報じられました。それから音沙汰があまりなかった気がする。
現時点で、阪急が有料座席の設備として明らかにしているのは、通信設備(車内Wi-Fi)やコンセントの配備を配備する指定席というもののみです。
2024年目処
今回の資料p58には、「終始構造の強靭化への取り組み」の一環の「安全安心や旅客サービスの向上」として、「ホームドア等の設備の推進」と「鉄道の有料座席サービスの導入」が挙げられており、今回本題となる有料座席サービスについては2024年を目処と考えられています。
考えられるシナリオ
今回発表したのが阪急阪神HDなので、これが阪急だけに限定されていないということが考えられますが、前述の昨年2月の報道も踏まえて最有力なのは阪急京都線でしょう。京阪間を結ぶJR/京阪/阪急の中で、唯一有料座席サービスがない阪急ですが、コロナ禍になって新しい収益の柱を建てることを模索しているものと見られます。
では京都線にどのように導入されるのでしょうか。おそらく、種別は特急か通勤特急、快速急行になります。その中でも運行時間帯が朝夕に限定されている通勤特急と快速急行がより有力です。
使用車両について、1つ考えられるのは、9300系の一部がいじられるパターン。京阪に似たパターンと考えるべきでしょうか。9300系は一日中特急として、朝夕は快速急行・通勤特急で運用に就きます。京とれいんを除いて京都線を走る唯一のクロスシート車両です。ただし、9300系はもとより女性専用車両の設定が平日の終日あり、8両のうち1両を女性専用車、1両を指定席としてしまうと混雑してしまう可能性があります。だからといって9300系自体を10両編成にすると、朝夕時間帯以外でオーバースペックになりますしね。
2つ目のパターンが桂で増解結される2両編成の7300系が改造されるパターン。個人的には一番ありそうなパターンだと思っています。京都線では、9300系で運行される快速急行の一部のみ、桂で2両編成が増結されます。その増結分が改造されるパターンです。桂〜大阪梅田の快速急行10両のうち1両を指定席にするというパターンでこれらの車両は朝夕以外に使われることがないので有力です。デメリットとしては河原町〜桂の間で指定席に乗りたい乗客は桂で乗り換えなければならないという点ですかね。
まあ他にも色々考えられますが、これが今の所有力ですかね。
あと、今回の発表が阪急阪神ホールディングスであることもちょっとおもしろい。まあ親会社なので当たり前ですが、この見出しの冒頭でお話した通り阪急に限られた戦略ではありません。阪急阪神の傘下、つまり阪急・阪神・能勢電・神鉄・北急での戦略というわけです。
個人的に、阪神山陽で大阪梅田〜山陽姫路の直通特急にも有料座席を導入したら面白いことになりそう(そんなことしたら近鉄が姫路から特急走らせろぉって言ってきそうですけどね)。