錦です。
VideoCardzが取り上げたBilibiliの動画によると、Core i9-13900KのES品が、Core i9-12900Kよりもシングル性能で9.4%性能が向上していることがわかりました。
Raptor Lake
Raptor Lakeは、第13世代Coreとなるプロセッサラインナップで、今回話題のCore i9-13900Kはその最上位となるプロセッサです。
この世代では、Alder Lakeから大きなアップデートはないものの、クロックや電力効率の向上によって性能が高まります。
ES品の仕様
今回テストされたES品(QS品?)はこのCore i9-13900Kのもののようで、ベースクロックが3.0GHz、最大クロックは5.5GHz〜5.7GHzとなっています(過去数世代同様、何段階かのブーストが用意されているようです)。一応、このサンプルはES品というよりQS品ぽいので、ほぼこれが製品仕様と似たレベルになっていると見られます。
また、コア・スレッド数も明らかになっており、8P16E32Tとなっています。ちなみに、Raptor Lakeが最大でこのコア構成になることは既にIntelが発表しています。
L2キャッシュを見てみますと、1基のPコアあたり2MBとなっているようです。Alder Lakeでは1.25MBだったので大幅増。また、EコアについてはAlder Lake同様4コアで1クラスタを構成し、クラスタごとにL2キャッシュが割り当てられるというのは変更がありませんが、クラスタあたりのL2キャッシュが2MBから4MBに倍増しています。L3キャッシュは36MBとなっています。
Pコアのアーキテクチャは「Sunny Cove」から「Raptor Cove」にアップデートされますが、サポートされる命令セットに変更はなし。本質的にアーキテクチャを共有しているためですかね。AVX-512の復活はなさそう。
ベンチマーク
ベンチマークはVideoCardzにてご覧いただけます。
CPU-Zで計測されたベンチマークによると、このサンプル品は、現行の最上位Core i9-12900KF(5.2GHz)と比較してシングル9.4%、マルチ46.34%性能が向上しているとのこと。前述の通り、クロックが300MHz向上するのもありますが、アーキテクチャの更新によるIPCの向上も功を奏していると見られます。マルチ性能が大幅に向上たのは、倍増したEコアとキャッシュの容量増加のおかげと考えられます。
他にも、多くのテストが実施されており、CPU-Zでの他、Geekbench、AIDA64、PugeBench、Cinebench R20/R23、3DMarkのベンチマーク、WinRAR・7-Zip・Blenderでの速度が比較されていますが、マルチスレッドが要求される場面で1.2倍〜1.5倍強の性能向上を果たしているようです。