錦です。
BloombergのMark German氏が展開しているニュースレター「Power On」はApple M2世代のApple Siliconについて伝えていることがわかりました。
Apple M2
先にApple M2の仕様から話しておきます。Apple M2世代はApple A15と同様にAvalancheとBlizzardをベースとするSoCラインナップです。すでにM2を採用したMacBook AirとMacBook Pro 13インチ、そしてiPad Proが登場しています。M2の仕様は、4コアの高性能コア(Avalanche)と、4コアの高効率コア(Blizzard)に、最大10コアのGPU、最大16コアのニューラルエンジンという構成になっています。
Avalancheはシングルクロックで最大3.5GHzに達するアーキテクチャとなっており、M1とM2では、効率が向上しているものの、最大消費電力がやや向上しているようです。
Apple M2 ProとM2 Max
まず最初にお話するのはApple M2 ProとM2 Max。M2 Pro/M2 MaxはともにMacBook Pro 14"や16"に採用されるSoCで、8P4Eで構成される12コアのCPUが搭載されているそう。
GPUのコア数については、M2 Maxが38コアということにしか触れられておらず、M2 Proについては触れられていません。M1 MaxがM1 Proの2倍のGPUを搭載していたということから考えると、M2 Proはその半分の19コアになる可能性がありますが、奇数が最大は考えにくいです。
そこで個人的に「M2 Maxのフル構成(物理的)にはM2 Maxで40コア搭載していて歩留まりの関係から2コア無効化している、そしてM1 Proも同様に20コア搭載しているものの2コア無効化した18コア搭載している」という仮設を立ててみました。実際に、Apple A12Xでは1コア分無効化されており、最大構成が微妙な数になったという前歴もあります。あくまで個人の意見ですが。
メモリもM2 Maxしか触れられておらず、M2 Maxのメモリ容量は最大64GBになるとのこと。これもM1世代の実績からM2 Proは最大32GBになると予想することができます。メモリの仕様ですが、Appleはメモリを毎年アップグレードしているわけではありませんので、M2 Proは256bit LPDDR5-6400で帯域は204.8GB/s、M2 Maxは512bit LPDDR5-6400で帯域は805.6GB/sになることが予想されます。
Apple M2 UltraとM2 Extream
ついでお話するのはM2 Ultra。M2 UltraはM1 Ultraと同様にM2 Maxを連結した構造になります。これらをつなぐのはUltra Fusionとなるでしょう。
M2 Ultraは、M2 Maxの2倍の性能を持つとしか言及されていませんが、AppleはM1 Maxを超える大きさのチップを作りたくないこと明言していることを考えると、M2 UltraはM1 Ultraと同様にUltra FusionでM1 Maxを連結した構成になるでしょう。これによって、実質的にM2 Ultraの構成はM1 Maxの倍数になることが予想されます。
となれば、M2 Ultraの最大構成は24コアCPU(16P8E)、GPUは最大76コアに、ニューラルエンジンは32コアになることが予想されます。IntelのCore i9-13900Kと真逆のCPU構成をしていることがわかりますね。
そして、M2 ExtreamはM2 Maxの4倍の性能になることが予想されます。これはすなわち、M2 Maxを4つ連結したものになるのでしょう。Ultra FusionはおそらくIntelのMeteor Lakeのベースタイルのようになっていると思うので結構簡単にスケールできると思うのでおそらく簡単にM2 Maxを田の字に配置したパッケージになるでしょう。
M2の構成は、48コアCPU(32P16E)、152コアGPU、64コアニューラルエンジンとなり、これまでのApple Siliconの中で最も協力なものになるでしょう。
CPUについては単純にコアを倍にすればマルチ性能が上がるというわけではないので予想できないものの、GPUはコアが増えると理論性能が向上する(気がする)ので簡単に求めましょう。10コアGPUのM2のGPU理論性能は3.6 TFLOPSなのでコアあたりの理論性能は0.36TFLOPSになります。GPUが152となるので、54.72TFLOPS程度になるでしょう。これはGeForce RTX 3090 Ti(40 TFLOPS)やRTX 4080(49 TFLOPS)を超える性能であり、非常に強力であることがわかります。
メモリは、最大256GBになるそう。UMAの最大の欠点にメモリ容量を増やしにくいという問題があり、流石に1.5TBまでは増やせなかったようです。ちなみに、それ以外のバリアントでは192GBのモデルも展開されるとしています。メモリの性能ですが、Ultraが1024bitでありその倍の構成であることを考えると、2048 bitとなることが予想されます。つまり、2048bit LPDDR5-6400が採用される事となり、帯域幅は1,638.4GB/s (≈ 1.6 TB/s)とメインメモリとしてはHBM並の驚異の帯域を持つことになります。
個人的にはLPDDR5Xを採用する可能性も捨てきれておらず、2048bit LPDDR5X-8500であれば、2,176 GB/s(≈ 2.1 TB/s)の帯域になりますよね。
まとめ
CPUコア数 | GPUコア数 | 理論性能 (推定) | メモリ | メモリバス | 帯域 (推定) | |
---|---|---|---|---|---|---|
M2 | 8(4P4E) | 8 | 2.88 | 8GB/16GB/24GB | 128bit | 102GB/s |
10 | 3.6 | |||||
M2 Pro | 12(8P4E) | 18? | 6.48? | 32GB | 256bit | 205GB/s |
M2 Max | 12(8P4E) | 38 | 13.68 | 64GB | 512bit | 410GB/s |
M2 Ultra | 24(16P8E) | 76 | 27.36 | 128GB | 1024bit | 819GB/s |
M2 Extream | 48(32P16E) | 152 | 54.72 | 192GB/256GB | 2048bit | 1638GB/s |