錦です。
TrendForceの最新の調査結果によりますと、Intel 7の歩留まりが原因で、Intelの次期スケーラブルプロセッサ「Sapphire Rapids」の量産のスケジュールが2023年上半期に延期されたことがわかりました。
また延期
Sapphire Rapidsは当初2021年内の登場予定となっていましたが、その後2022年第2四半期へ延期、さらに明確な時期は明らかにされていませんが更に延期、そして2022年内にリリース予定となっていたSapphire Rapidsですが年内に間に合わないことがわかりましました。
ただ、着実に製品化に向けて進んで入るようで、Intelのイベントがあるたびに一応サンプル個体が展示されるなどしています。
Sapphire Rapidsは、Alder Lakeに採用されたGolden Coveから構成されるスケーラブルプロセッサで、Ice Lake-SPの後継となるラインナップです。米国のAuroraスーパーコンピューターにも採用される事になっています。ちなみにAuroraは年内始動となっていますが、こちらも遅延に巻き込まれる可能性があります(でもすでに出荷しているという発表もあったような)。
原因
TrendForceによれば遅延の原因となっているのはIntel 7プロセスの歩留まりが原因とのことで、歩留まり率は50〜60%程度と推定されているとのことです。
一方で競合するAMDのEPYCは11月11日にイベントを控えており、Zen 4ベースの「Genoa」がSapphire Rapidよりも先に登場・投入される見通しです。TrendForceは2022年の時点でシェアが15%のAMDが、2023年には22%まで追い上げると予想しています。
Intelへの影響
また、TrendForceはIntelの量産スケジュールが総じて遅れていることを指摘しており、またIntelサーバーに必要なLattice CPLDなどのコンポーネントの供給も逼迫しているなどの理由から、顧客側が供給を懸念してIntelからAMDに切り替えているとしています。また、米中の貿易摩擦(米から中への経済制裁)によって、IntelはAMDよりもダメージを受ける可能性があると指摘しています。
Intelは先日の決算発表にて売上高が前年同期比20%減の153億3,800ドルになりました。Intelは従業員の削減政策も明らかにしており、また低迷時代が訪れているのかもしれません(というかIFSが落ちているのはまずいのでは)。