Intelは、開催中のIntel Innovationにて、今後登場する数世代のXeonについて発表しました。
Emerald Rapids
現在最新のスケーラブルプロセッサは第5世代となる「Sapphire Rapids」となっており、こちらが今年1月に発表されています。その後継は早くも12月14日に登場することが明らかにされました。それが「Emerald Rapids」になります。
Sapphire Rapidsに続きIntel 7で製造されるEmerald Rapidsですが、ソケットでプラットフォームを維持します。そのため、Sapphire Rapidsのシステムでは、CPUを置き換えることも可能であるとしています(BIOSなどの対応は必要でしょうが)。
Sapphire Rapidsで採用されたタイル構造が早くも改良され、4つのタイルがEMIBによって搭載されていたのが、2つのタイルになっています。しかし、ソケットが同じということを合わせると、タイル1基の規模が倍になったということが考えられます。
またEmerald Rapidsでは、L3キャッシュの増加、パッケージあたりのコア数の増加、メモリ周波数の向上が明らかにされています。コア数の増加については、コア数などの詳細は明らかにされていないものの、プロセスルールが同じまま同じトータルのサイズ感となっているためおそらくSapphire Rapidsから変わりない、あったとしても大幅な増加ではないことが予想されます。
更にCXL Type 3に対応。PCIeに搭載したCXLメモリをメインメモリとして利用可能となっています。
Emerald RapidsはMeteor Lakeと同様に今年の12月14日に正式に発表される予定となっています。個人的にはXeon Maxの展開も気になるところではありますね。
Sierra Forest
Xeonは2024年にPコア系統とEコア系統の2つに分岐することがすでに発表されています。現在のスケーラブルプロセッサの系譜はこの先、Emerald Rapids→Granite RapidsとPコアのアーキテクチャをベースに展開されています。その一方で、2024年に登場する「Sierra Forest」から始まる新しい系譜はEコアのアーキテクチャをベースに展開されていくことになります。おそらくPコア系統はRapids、Eコア系統はForestとして展開されていくことになります。
Sierra Forestがターゲットとするのは物理コア数や高い電力効率を要求する分野で、これは主にクラウドなどがあたります。この分野では近年AWSのGraviton、OracleのAmpereなどArmプロセッサの進出が目立つ分野で、これに対抗すべくAMDも最大128コア256スレッドのZen 4cアーキテクチャで構成される「Bergamo」(EPYC 9004シリーズの一部)を展開します。
Eコアは、Alder Lakeから始まったHybrid Technologyのうち効率を追求するアーキテクチャであり、古くはAtomの血を引くコアです。このEコアは、クロックも高くなく性能もPコアほど高くはないものの、省電力で動作し、コアのサイズも小さくなることから、高密度・高効率のプロセッサを実現することができます。
Sierra Forestについては、アーキテクチャや製品などについては明らかにされませんでしたが、そのコア数や構成が明らかになりました。
Sierra Forestは最大2基のタイルで構成され、それぞれのタイルにそれぞれ144コア搭載されることになります。つまり、ソケットあたり計288コアを実現することが可能で、タイルあたりで考えればNVIDIA Graceの2倍、ソケットで考えてもGraceの2倍、Bergamoの2倍以上となります。ただ、このEコアはZen 4cでサポートされているAVX 512の他、HTT(SMT)がサポートされていない点には注意が必要で、スレッド数で見ると、AMDが256スレッド、Intelが288スレッドとその差はだいぶ縮まることになります。
ただ、物理コア数がかなり稼げるので、システムあたりのコア数を大幅に増加させることができるクラウドなどではかなり有利になりそうです。
Granite Rapids
Granite Rappidsは直接名前は言及されていませんが「将来のXeonスケーラブルプロセッサ」として紹介されたものがあるよう。
これについては詳細の言及はなかったものの、MCR DIMMの対応や、CXLメモリのサポート強化などがデモされているようでした。