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Micron、世界初の「LPCAMM2」モジュールを正式に発表 〜 LPDDR5Xメモリが換装可能に!

3行まとめ

Micronは、世界初の「LPCAMM2」メモリモジュールの投入を発表しました。

CAMM2

現在、消費者向けPC市場においてメモリの換装が可能なのはDIMMあるいはSO-DIMMモジュールで接続されているDDRメモリのみとなっており、薄型PCなどで採用が進むLPDDRメモリには標準的な換装モジュールの規格が存在しませんでした。

そして現状の仕様を見ますと、DDRよりもLPDDRのほうがメモリクロックが高いなどの逆転現象が発生しており、性能を高めるのであれば、DDRよりもLPDDRを採用するのが通例となりつつありますが、モジュール性・保守性を維持するには、換装不可能なLPDDRは残念ながら完全に不向きな状態となっています。

そもそも、薄型PCが徐々に主流となりつつある現代のPCにおいては、DDRメモリを採用していたとしても、SO-DIMMを採用せず、オンボードで実装されている例が増えています。理由としては様々で、例えばLPDDRメモリを搭載するシステムは薄型である事を追求する中で、SO-DIMMでモジュール化すると薄型設計に影響を与えるためなどが挙げられます。

CAMM2ではこれらの欠点を解消した上で、LPDDRにも対応するなどした新しいメモリモジュール規格です。

まず、CAMM2メモリモジュールはSO-DIMMと比較して64%省スペースを実現します。厚みの場合、SO-DIMMでは9.3mmとなるところが、CAMM2では4.5mmになるなど、薄型への設計に影響しにくくなっています。

さらに、SO-DIMMやDIMMでは、1モジュールあたり1チャネルが原則であったのが、CAMM2では1モジュールで2チャネルの接続が可能であるため、基本的にすべてのラップトップがCAMM2モジュール1つだけでメモリの最大性能を発揮することが可能です。

また、モジュール化することにより、修理しやすくなるなどメンテナンス性の向上も実現できます。

Micron LPCAMM2(出典:Micron

CAMM2はDDR5・LPDDR5・LPDDR5Xをサポートしており、今回発表されたのはLPDDR5XのCAMM2モジュールです。CAMM2はDDRとLPDDRの両方で策定されていますが、すべてのメモリ規格は相互で互換性がないため、DDRシステムにLPDDRモジュールが、LPDDRシステムにDDRモジュールがそれぞれ挿入できないように形が異なります。この内、LPDDRモジュールを「LPCAMM2」と呼びます。

LPCAMM2を画像に示していますが、山型の突起があるのがLPCAMM2となります。一方でDDR型のCAMM2では、この切り欠きがなく長方形となっています。

LPCAMM2の導入により、モジュール性と電力効率、メモリの性能の両立を実現できることが期待されています。

発売

Micronは、このLPCAMM2モジュールを、Crucialブランドから2024年前半にリリースする予定です。

Micronのニュースリリースでは、IntelとLenovoの役員が声明を寄せており、今年後半以降に展開されることが期待されます。

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