先日、Intelが「Intel 14A」という新しい世代のプロセスを発表しましたが、Intelが新たにNDAの解除をTom's Hardwareに通知し、新たに「Intel 10A」プロセスの存在と「Intel 14A」プロセスの投入時期が明らかになりました。
IFS
Intelは2021年以降、IDM 2.0政策のもとで、Intel製品向けにのみ提供していた製造能力を、増強したうえで開放するIntel Foundry Service(IFS)を展開しています。IFSでは、Intel製品と、他社製品で同じプロセスを提供しています。
IFSの発表と同時に、IFSの製造プロセスを2025年までほぼ一年ごとに投入する計画を発表していました。現在、「Intel 7」「Intel 4」がすでに投入されており、なもなく「Intel 3」が、年内に「Intel 20A」と「Intel 18A」が投入され、この計画が遂行されることになります。Intel 20A以降では「RibbonFET」と「PowerVia」を新たに採用することが明らかになっています。
「Intel 18A」と「Intel 20A」のAはオングストローム(Angstrom/単位はÅ)を意味しており、1Å=0.1nmとなります。つまり、Intel 20Aは2nm相当、Intel 18Aは1.8nm相当を意味しています。
Intel 14Aの投入時期
先日行われたイベントで、IntelはIntel 18Aよりも先、「Intel 14A」プロセスと、その改良版である「Intel 14A-E」プロセスの計画が新たに発表されました。
「Intel 14A」世代では、High-NA EUVを用いた製造が行われることが明かされています。
今回、NDAが解除された情報で、このIntel 14Aが2026年に投入されることがわかりました。
Intel 10A
「Intel 10A」は「Intel 14A」よりも後に登場することになるプロセスで、1.0nm相当のプロセスとなります。以前からお伝えしています通り、Intel 10Aなどのブランドは、他社(TSMCなど)で言うとこれくらいのプロセスの性能を持つという意味を示しています。そのため、1nm並の性能を実現したということを意味し、従来の1nmを実現したわけではないという点には留意が必要です(といっても結果論として1nm性能を実現できているのでこの部分は、実際の「製品」に注目しないのであればさして重要ではありません)。
Intel 10Aについては詳細は明かされていないものの、Intel 14Aと比較して、2桁%の性能向上と電力の改善があるとしています。
登場は2027年後半の予定で、2021年から続く1年1ノード以上という計画は少なくとも2027年までは維持される見込みであることがわかります。
工場のAI化
Intelは2030年までにSamsungを抜いて、TSMCに次ぐ世界第2位の半導体製造企業になることを目標に掲げており、野心的に取り組んでいます。
その中で、工場のAIによる自動化も進めており、今回明らかになったのは「Cobots」の導入です。Cobotsは、人間とともに働くことができる協働ロボットとしており、将来的に工場自動化計画の「10X moonshot」の取り組みが業務のあらゆる側面に影響すると予測しています。