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Faraday、「Intel 18A」プロセスを用いてArm「Neoverse」ベースの64コアSoCを開発へ

3行まとめ

チップの受託設計開発を行っている台湾Faraday Technologiesは、Intel 18Aプロセスを利用した64コアSoCを開発するため、Arm及びIntelと提携することを発表しました。

Intel 18A

「Intel 18A」プロセスは2025年までに稼働するIntelの製造プロセスです。2021年に発表された製造プロセスの五カ年計画の最後の世代となり、順調に開発が進んでいることが度々アピールされてきました。

Intel 18Aの一つまえの世代となるIntel 20Aから、RibbonFETという新たなトランジスタ技術が用いられます。これは、TSMCやSamsungが採用を進めているGAAFETと同様のものなっており、トランジスタをより高密度に配置できるというメリットがあります。

計画では、先述の通り2025年に稼働予定であり、Intel内部(Intel CPUなど)向けとともに、Intel Foundry Servise(IFS)の一部として他社にも提供されます。

IFSの拡大

IFSは、Pat Gelsinger CEOが進めるIDM 2.0政策の柱の一つで、これまでIntel製品向けにしか提供していなかった製造リソースを他社にも提供するという事業です。つまり、IFSだけ見れば、TSMCやSamsung、そして将来のRapidusと競合するような事業となります。

IFSは、台湾や韓国のように地政学にリスクがある東アジアではなく、米国が拠点となっていることなどから米国国防省が顧客になっている他、AWSやEricssonなどのサーバー向けチップの製造も行っています。コンシューマー向けではIntel製品しか聞き馴染みはありませんが、Qualcommがどの製品か明らかではないものの、将来的に採用を計画している他、MediaTekでも採用が発表されています。

また、チップ設計の分野でIntelと実質的に競合関係となるArmともIFSでの製造に関して協定を結んでおり、今回のようにArmプロセッサのIFSによる製造をIntelは歓迎しています。

FaradayのArm

Faradayは、Intel 18Aを採用したArmプロセッサの開発についての計画を発表しています。特に今回展開するのは、ArmのサーバーやHPCをターゲットとしたIPである「Neoverse」をベースとした64コアSoCです。この新しいプラットフォームでは、Arm Total DesignエコシステムのインターフェイスIPが組み込まれており、Intel 18Aの包括的な実装と検証が保証されています。

なお、Faradayは受託設計会社であり、自社製品としてプロセッサをリリースすることはなく、実際にはFaradayの顧客が、このプラットフォームを採用し、それをIntel 18Aで製造するための検証や実装のプロセスを支援するというのが正しいようです。

今回の発表によってIFSでのArmの提供が拡大することが期待されています。Neoverse✕TSMCの組み合わせは現在主流ですが、Neoverse✕IFSの組み合わせも、TSMCの製造容量の逼迫や、半導体不足が続く中では良い選択肢になるかもしれませんね。

ソリューションは2025年上半期に利用可能になる予定です。

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