Microsoftは、Windows 11の機能更新プログラム(大型アップデート)となるv24H2のロールアウトを開始しました。順次Windows Updateを通じてユーザーに提供されます。
新機能
AI系の機能
今回目玉となるのが、Microsoftが定めたCopilot+PCでのみ利用できるAI機能です。QualcommのSnapdragon Xシリーズ、AMDのRyzen AI 300シリーズ(Strix Point)、IntelのCore Ultra 2(Lunar Lake)でのみ利用できます(ただし、AMDとIntelは現在非対応で、11月にリリースされる無料アップデート後に利用可能)。
まずは「Recall」。この機能では、Windowsが定期的にPCに画面のスナップショットを撮影し、それを使用して画像検索ができるようになるという機能です。例えば、ゲームの攻略法などをAIに聞くことができるようになるようです。
そして「Click to Do」。これは、Windowsキーを押しながら画面上の写真やドキュメント、ビデオなどの任意のコンテンツをクリックすることで、AIが自動的にコンテンツを分析して実行する機能をサジェストするというものです。例えば、テキストを選択すれば要約したり書き直しを提案してリしてきますし、テキストがURLであればそのURLを開くなど、コンテンツに合わせた動作を行えます。この昨日は、Snipping ToolやPrint Screenにも統合されます。
また、Windows全体として検索機能がパワーアップしており、自然言語による検索でファイルや写真、設定項目などを提案してくれます。現状、ファイルのみの対応ですが、今後数ヶ月以内に設定項目などにも対応する見込みです。
同時にMicrosoft Storeを通じて提供される「フォト」アプリのアップデートでは、AIを活用したアップスケーリングが行えるようになっていたり、「ペイントアプリ」では生成AIによる拡張(フィル)や削除が行えるようになっています。
AI以外の機能
AI系以外では、BluetoothやWi-Fiの改善が含まれています。
例えば、Bluetooth LEによる補聴器のサポート改善や、環境音・オーディオのプリセットに関するコントロールが追加されています。
さらにWi-Fi 7への対応、HDRバックグラウンドの対応が行われており、タスクバー、システムトレイ、エクスプローラ、設定アプリなどのプリインストールアプリの全体的な改善も行われているとしています。
開発系
開発系では、Sudo for Windowsが正式に統合されます。SudoコマンドはUNIXやUnix系OSで搭載されてるSudoと同様に一時的に管理者権限でコマンドを実行できるというものです。Windowsではこれまでコマンドプロンプト/Windowsターミナルの起動時点で管理者権限かそうでないかを決定する必要がありましたが、今後は幾分楽になるはずです。
更に、WindowsカーネルにRustが組み込まれるようになった初めてのバージョンでもあります。前述のSudoコマンドもRustを用いて開発されています。
提供
v24H2は、順次提供が行われています。利用可能になれば、Windows Updateを通じてダウンロードされ、更新を伴う再起動によって変更が適用されます。v23H2を使い続けることも可能です。
v23H2はあと1年サポートが続きますが、v22H2は今月8日にリリースされる月例アップデートをもってサポートが終了するため注意が必要です。