Microsoftは、Windows 11のLTSCとなる「Windows 11 Enterprise LTSC 2024」と「Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024」の提供を開始しました。それぞれ、5年間と10年間のサポートが提供されます。
Windows 11 LTSC
Windows 10以降、WindowsではWindows as a Service(WaaS)のポリシーに基づき、2年に一度提供される機能更新プログラムを適用する限り半永久的にサポートが継続するというサポート体系になっています。しかし、これはインターネットへの接続が前提であるほか、継続的にアップデートをしていく必要があり、どうしてもオフライン環境になる工場の製造ラインのシステムや、ソフトウェアの互換性の問題で定期的なOSのアップデートが困難な企業や団体ではWaaSは不適切です。
そこでMicrosoftが用意しているのはLTSC版です。これはかつてのWindowsのように、機能更新プログラムを適用しなくとも数年間のサポート提供を約束するというエディションになっています。ただし、企業向けであるという点には注意が必要です。
前回のWindows LTSC 2021では、Windows 10をベースにしていましたが、LTSC 2024はWindows 11をベースにしており、v24H2までの機能が搭載されています。LTSC版のWindowsでは、月例のセキュリティアップデート以外の機能更新プログラムが提供されません。
Windows 11 Enterprise LTSC
Windows 11 Enterprise LTSCは、基本的にWindows 11と相違点はありません。ただし、Microsoftは特殊用途のデバイス(キオスク、医療機器、デジタルサイネージなど)の利用を想定していることには注意が必要です。サポート期間は5年です。
Windows 11 IoT Enterprise LTSC
Windows 11 IoT Enterprise LTSCは、より特殊な例での利用が想定されています。IoT Enterpriseについては、LTSCとGAC(通常のWindows 11と同様のリリースサイクル)が用意されていますが、今回はLTSCについて取り上げています。サポート期限は10年です。
Windows 11 IoT Enteroriseがターゲットとしているのは、産業オートメーションやシンクライアント、医療機器、キオスクなどです。
また、Windows 11 Enterprise LTSCやWindows 11 Pro/Homeよりも必要要件が緩和されており、TPMやセキュアブートは省略可能となっています(ただし推奨はされています)。
サポート期限
サポート期間は前述の通り、Windows 11 Enterprise LTSC 2024が5年間、Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024は10年間サポートが提供されます。
具体的な現時点でのサポート終了日は、
となっています。