錦です。
AppleがWWDCでiOS 16を発表した後、iOS 16ではついにiPhone 6sとiPhone 7のサポート切りが行われました。iPhone 7は予想外だったため驚きの声が上がりましたが、今回はiOSのサポートサイクルについてお話します。場合によってはiPhone 6sやiPhone 7を買い換えなくてもしばらくいいかもしれません。
結論
思ったより記事が長くなったのでめっちゃ簡単に先にまとめます。
- iPhone 5sとiPhone 6はiOS 13でサポート対象外になったがiOS 12がその後2年間にわたってマイナーアップデートが続いた
- だからiPhone 6sとiPhone 7もiOS 16のリリース後2年間(2024年まで)はマイナーアップデートが続くだろう!
詳しく読みたい方は読み進めてください。
サポートの定義
でははじめに「サポート」について定義しておきます。あまりApple系OSでサポートという言葉は使われる気はしないですが、WindowsとかLinuxとかだとよく聞きますね。OSやソフトウェアにおいてのサポートとは脆弱性や問題修正のパッチが提供されることであると定義します。
つまり、サポート期間とはセキュリティの問題やバグを修正するパッチが配信されている期間ということです。
Appleはあまりこの言葉を使いませんが、macOSには実質的なサポート期間があり、次期バージョンがと登場してから2年サポートされる、リリースからとすると3年サポートされるのが通例となっています。おそらく、macOS 13 Venturaがリリースされると2つ前のバージョンCatalinaのサポートが終了するでしょう。
そもそもAppleにはLTSのようなものは無いので余計なことは考えなくていいんです。
iOSにおいてのサポート
iOSにおいてのサポートは長らくサポート外になったデバイスに向けては、サポートされないメジャーアップデートが登場した瞬間にスパッとアップデートがなくなる=サポート終了となっていました。例えばiPhone 5とiPhone 5cはiOS 10でサポートを終了したため、iOS 11がリリースされて以降は例外を除きiOSのアップデートは提供されていません。しかし、iOS 12世代にそれが変わりました。
iPhone 5sとiPhone 6はiOS 12でサポートを終了しました。そのためiOS 13のリリースと共にアップデートを終えるのかと思いきや・・・。iOS 12.4.xというバージョンがiOS 13のアップデートとともにリリースされました。この間に追加された機能はなく*1、iOS 12のサポート中でiOS 13リリース後に発売されたAirPods Proへの対応も行われませんでした。
iOS 12のアップデートはiOS 14リリースまで続きました。これは実質的なサポート期間ととることができます。そして、iOS 12のサポート期間というのは、同じ世代であるmacOS Mojaveと同じ期間となりました。つまり正式リリースから3年サポートされたというわけです。
こう見ると、iOS 15もiOS 12と同様にサポート期間があと2年用意されることになるでしょう。となれば、iOS 15のサポート終了は2024年くらい。iPhone 6sの発売が2015年なので9年もサポートされることになりますね。
iOS 13とiOS 14
ではなぜiOS 12は特例でiOS 13とiOS 14には配信されなかったのかというと、これはおそらくそれぞれの後継バージョンであるiOS 14とiOS 15で新たにサポート外になる製品がなかったためだと見られます。
ただ、iOS 14に関しては、Appleは若干のサポート継続の譲歩をしたように見えました。結局数ヶ月で撤回されたわけですが。
他のサポートには注意
このサポートというのはあくまでもiOSにセキュリティパッチが提供される期間であり、他のサポートについては注意しなければなりません。
サードパーティのアプリの多くは数年前のOSのサポートを終了します。これは、iOS 12のときも例外ではありませんでした。おそらく1年も経てば金融・支払い系のアプリを中心にiOS 15のサポートを終了することになり、iPhone 6sやiPhone 7では使えなくなるでしょう。
また、製品自体の修理サポートも気をつけなければなりません。すでにiPhone 6sが製品修理を断られるオブソリート製品に指定されています。
それに加え、今後iOS 16のリリース後に登場する新アクセサリなどは使えません。これは新型AirPodsなんかが登場しても使うことができなくなるわけです。
このように、iOS 15のあと2年のサポートは、Windowsでいう延長サポートなので、新機能の追加がないただセキュリティ問題を修正して「一応使える」状態を継続させるサポートであるということを忘れてはなりません。単純に買い替えへの時間の猶予としてだけ見とけばいいと思います。
ただ、iOSのメジャーバージョンをアップデートしないという方には大きな影響はないのかもしれません。