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Intel、「Panther Lake」と「Nova Lake」では自社ファウンドリでの製造率を高める意向

3行まとめ

Intelは2024年第3四半期決算報告に合わせた電話会議にて、将来の製品についてのいくつかの情報をアナウンスしました。

Intelでの製造へ

Intelは2021年にPat Gelsinger CEOが発表したIDM 2.0のもと、自社のファウンドリの外部への開放と拡大とともに、TSMCを念頭とした外部ファウンドリの活用も方針として示しました。その結果として、Meteor Lake、Lunar Lake、Arrow Lakeでは、TSMCが製造したチップを用いているほか、GPU製品はほぼすべてTSMC製となっています。

しかし、近年のIntelの大幅な失速には半導体製造事業が原因となっています。事実、半導体製造事業は約1兆円の赤字を出した時期もあります。

Intelは引き続き半導体製造事業を続ける意向を掲げていますが、今年9月にはIntel本体からこの事業が分離され、子会社 Intel Foundryとなっています。

IntelはTSMCとの関係を重要視しているとしつつ、この先展開される「Panther Lake」と「Nova Lake」については、自社製造の比率を高める意向を明らかにしました。具体的には、Panther Lakeは70%以上が、Nova Lakeでは大部分が自社生産となるとのこと。

IntelはIntel 18Aを来年量産させます。Intel 18Aは順調であり、リソースを集中させるためにIntel 20Aをキャンセルしたという経緯もあり、Intelの将来を決める重要なプロセスとして注目が集まっています。現時点で、Panther LakeはIntel 18Aで製造されることが明かされており、2024年8月の時点で生産に成功と報告しています。

メモリ同梱はLunar Lakeのみ

また、Lunar Lakeで取られた、プロセッサにメモリを同梱する設計についてはLunar Lake限りとなり、Panther LakeやNova Lakeでは従来通りのメモリを外部に設置し、パッケージに同梱しない設計であることも合わせて発表されました。

Intel危機

Intelはここ数期の赤字により株価が大幅に下落しており、それに伴って時価総額も下落しています。

ついには11月8日にダウ平均株価(NYダウ)から除外され、新たにNVIDIAが含まれることが発表されているほどです。

時価総額の低下も、QualcommやApple、Samsungが買収を検討していると報じられるほど安価になっており、本稿執筆時点で1,000億ドルをわり971.3億ドルとAMDの2283億ドルと比較しても半分以下となっています。

Intel 18Aや今後のファウンドリの経過によっては、Intelは存亡の危機にさらされることになります。

一方で、Intelを養護できる点があるとすれば、ファウンドリ事業は投資から黒字転換するまでがだいぶ長いので、あと数年したら状況が変わる可能性もありますね。

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