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Qualcomm、8コア中6コアが性能型コアになった「Snapdragon 8 Gen 3」を正式に発表 ~ 1+5+2のコア構成のモバイル向けSoC/NPUが強化

Qualcommは「Snapdragon 8 Gen 3」を正式に発表しました。

Snapdragon 8 Gen 3

「Snapdragon 8 Gen 3」は、Snapdragon 8 Gen 2の後継となるスマートフォン向けSoCです。同時に発表されたパソコン向け「Snapdragon X Elite」とは違い、こちらは引き続きArmのIP「Cortex」を使用します。

今回かなり特徴的なのはCPUの構成で、従来はプライムコア1+性能コア4+効率コア3だったのが、今回はプライムコア1+性能コア5+効率コア2という構成になっており、より性能に重点を置いた進化となっております。特にプライムコアと性能コアの性能型のコアが8コア中6コアを占める様になったのは大きいと思います。

各CPUのIPも強化されており、プライムコアには3.3GHzで駆動する「Cortex-X4」、性能コアには3.2GHzで駆動する「Cortex-A720」、効率コアには2.3GHzで駆動する「Cortex-A520」を採用。どれも今年登場した最新のArm IPです。また、昨年は32-bit互換性のために残していた「Cortex-A710」の姿はなくなり、フルでArmv9構成となっています。キャッシュは8MBから12MBに増量。

製造プロセスにはTSMC 4nmを採用しています。例年、TSMCの最新プロセスはAppleが独占する関係で競合の同じnmとなるSamsungのプロセスを使用していましたが、今年はTSMCのやや古めのプロセスを採用しましたね。

GPUは、25%性能向上、25%効率向上を果たした新しいAdrenoを搭載しています。このAdrenoでは、レイトレーシングが強化されグローバルイルミネーションに対応している他、リフレッシュレートを1Hzまでに落とせる機能に対応しています。映像出力が240Hzまでに強化されており、よりゲーミングに特化したSoCとなっています。更に、NVIDIAのG-SyncやAMDのFreeSyncに相当する可変リフレッシュレート同期機能である「Adreno Frame Motion Engine 2.0」が120Hzまで対応しています。

HexagonがDSPからNPUに名前を変えました。このNPUが大幅に強化されており、例えばINT8とINT16の混合精度演算に対応した他、内部の既存の精度での演算も強化されています。Qualcommは、オンデバイスAIをキーワードとしているようで、MetaのLLM「Llama 2」に最適化されています。主に推論が強化されているようで、スマートフォン向けとしては順当です。

さらに、内部でISPとNPUが直接繋がるバス「Hexagon Direct Link」が新設されたことで、撮影した画像をAIのちからでリアルタイムに調整する機能が追加されています。

全体的に40%の電力効率の向上を果たしており、2倍の性能があるとしています。

搭載デバイス

今回は、Snapdragonの登場が早かったようで、年内に展開が始まるようです。今後数週間のうちにASUS、Honor、iQOO、MEIZU、NIO、Nubia、OnePlus、OPPO、realme、Redmi、RedMagic、Sonyvivo、Xiaomi、ZTEといったメーカーから製品が登場することになります。

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