IntelはCESにて今年後半に登場する2つのプロセッサラインナップ「Lunar Lake」と「Arrow Lake」の情報を明らかにしました。
Arrow LakeとLunar Lake
「Arrow Lake」と「Lunar Lake」をおさらいしていきましょう。
「Arrow Lake」は「Raptor Lake」と「Meteor Lake」双方の後継となる製品です。特筆すべきはデスクトップにも展開されるということです。Arrow Lakeは、デスクトップ向けでは初めての「Core Ultra」プロセッサとなる計画となっており、構成などはラップトップ向けと異なるかもしれませんが、タイル構造などが採用されることが明らかになっています。
Arrow Lakeについては、デスクトップとラップトップ双方にリリースされる予定で、Compute Tileの製造プロセスは「Intel 20A」となる見込みです。Intel 20Aは、RibbonFETを採用する新世代のプロセスで、もしこれが実現すれば、Samsungに続いて先端プロセスでGAAFETと同様の技術をトランジスタに採用することになり、実際に広く製品に採用されるプロセスとしては初めての採用になる可能性があります。
「Lunar Lake」は、主に薄型軽量の新しいフォームファクタ向けの製品となるとしています。主な競合となるのはどうやらApple M3となる見込みです。
今回明らかになったこと
今回明らかになったのは、まずこれら2つのラインナップが開発の最終段階に到達しているという点。つまり、今年後半に登場するという計画が現時点で変わっていないということを意味しています。
それぞれのラインナップで明らかになったことは次のとおりです。
Arrow Lake
まず、Arrow Lakeは、タイル構造が採用されるとともに、NPUが搭載されることが明らかになりました。これによって、Intelの最新ラインナップは基本的にNPUネイティブになる見込みです。
また、ゲーミング向けのCPU、つまり高性能CPUにも展開される見込みとなります。となれば、デスクトップ向けのメインストリームとなり、Raptor Lake-S Refreshの後継となるでしょう。
Lunar Lake
今回、面白い情報が明らかになったのはLunar Lakeの方です。
Lunar Lakeでは、3倍高速なNPUを搭載しているとしています。Meteor LakeのIntel NPUの性能が11 TOPSなので、Lunar LakeではNPU単体で33 TOPSほどの性能になると見られます。Qualcommの「Snapdragon X Elite」に内蔵される「Hexagon」NPUの45 TOPSには至らないものの、それでも性能はかなり追いつくことになります。特に、Apple M3が18 TOPSなので、これを大きく上回ることにはなるでしょう。
さらに、Lunar Lakeでは、DRAMが同梱されることも明らかにされました。DRAMを同梱するタイプのCPUとしては、コンシューマグレードではApple Siliconがあり、似たような外観となっています。この構造を採用することによって、デバイスにメモリを実装する必要がなくなるため、薄型軽量のデバイスを実現できます。Lunar Lakeのターゲットにしているデバイスではかなり有利に働きそうです。
やっぱり、AMDがキャッシュを増やす方向に走るのに対して、Intelはメモリレイテンシを減らす方向に走っていて、考え方の違いがしっかりと現れていて面白いですね。