Appleは「Apple M3 Ultra」を発表しました。
Apple M3 Ultra
「Apple M3 Ultra」はM2 Ultraの後継となるハイエンドSoCです。M2 Ultra同様、2基のMaxグレードのM3 Maxを高速インターコネクトのUltra Fusionを用いて連結しています。
そんなUltra Fusionも、結構派手に性能が向上しており、2.5 TB/sでの接続になっています。
具体的な仕様を見ます。
M3 Ultra | |
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CPU | 32コア |
高性能コア | 24コア |
高効率コア | 8コア |
GPU | 80コア |
Neural Engine | 32コア |
NPU性能 | 36 TOPS |
ビデオデコードエンジン | 2基 |
ビデオエンコードエンジン | 4基 |
ProRes | 4基 |
メモリ帯域 | 819 GB/s |
基本的には、M3 Maxの倍と考えていただいて結構だと思います。
このタイミングで、M4 UltraではなくM3 Ultraを投入した理由はわかりませんが、おそらくM4が使用しているN3Eプロセスに容量がそれほどなく、安定してきたN3Bを使用したM3を活用したものであると考えられます。つまり、M3 UltraはTSMC N3B(N3)で製造されているものと見られます。
変更点
M3 Ultraの特徴ですがいくつか挙げられます。
まずは、Thunderbolt 5に対応しているという点。これはM3 Maxにはなかった点です。
そしてメモリ帯域。メモリ帯域は819 GB/sとなっています。Apple SiliconはAIの推論において高い性能を発揮することで知られていますが、その要因がこのメモリであり、メインメモリが高速かつ大容量であるがゆえに、メモリ内でLLMが動作するというのが利点です。
性能については公称でM1 Ultraの1.8倍、M2 Ultraの1.5倍とされています。
トランジスタ数は1,840基で、1,340億基のM2 Ultraと比較して1.37%に増加しています。
考察
CPUやGPUのコア数はM4の倍であり、GPUの理論性能は正確な数値は不明であるものの、倍になっているでしょう。クロックも維持していると考えられます。
Neural Engineも32コアとなっており、36 TOPS程度の性能となっていると見られています。残念ながら、これでもM4シリーズの38 TOPSには追いつきませんでした。
メモリを見てみましょう。
メモリは819 GB/sということで、1024-bitインターフェイスのLPDDR5-6400メモリとなっているものと見られます。
M3自体はM2から、大きなCPUの変化はなかったものの、GPUが強化されているのが特徴です。
GPUはUltraグレードで初めてハードウェアレイトレーシングとハードウェアメッシュシェーディング、Dynamic Cachingに対応しています。特にグラフィックス制作のシーンにおいては、レイトレーシングやメッシュシェーディングのハードウェアアクセラレートは効果があるかもしれません。