Apple、「Apple M5」を発表 ~ GPUにNeural Acceleratorを統合し性能向上

3行まとめ

Appleは、新型のSoC「Apple M5」を発表しました。

Apple M5

「Apple M5」は、Apple M4の後継となる、iPad / Mac向けのApple Siliconです。先月発売されたiPhone 17シリーズ、iPhone Airに搭載されている「Apple A19」シリーズと同世代のプロセッサになります。

搭載される製品は「MacBook Pro」「iPad Pro」「Apple Vision Pro」の3製品で、今後より広範になる見込みです。

Apple A19と同じく第2世代の3nmプロセスで製造されており、

メモリ

メモリの展開は、16GB、24GB、32GBで変わりませんが、メモリがLPDDR5x-9600を採用しているようで、帯域幅が153GB/sとなっています。

これによって、CPUのマルチ性能、GPU、NPUの性能が向上します。

CPU

CPUの最大構成は、4コアの高性能コアと6コアの高効率コアを搭載した10コアの構成です。スケールダウンしたモデルとして、高性能コアが3コアの9コアのバリアントも展開されています。

大きなアーキテクチャの変更には言及されていないものの、マルチスレッド性能が15%向上しています。

GPU

A19/M5世代で最も大きな進化があったのがGPUです。

最大10コアのGPUには、各コアにNeural Acceleratorを搭載しています。これは、GPUにAI処理機能を統合するもので、NVIDIAがGPUにTensor Coreを統合しているのにアプローチとしては似ています。

おそらく、低精度演算を行うユニットがGPU内部に新設されたということになるでしょう。AI性能は飛躍的に向上し、GPU演算性能はM4と比較してピーク時で4倍にまで向上しています。

シェーダコアについても性能向上が図られており、M4と比較して最大30%性能が向上しています。

GPU全体の性能としては、シェーダーコアの性能がM4比30%向上、最大45%性能が向上した第3世代レイトレーシングエンジンと、第2世代Dynamic Cachingを搭載し、全体で大幅な性能向上を果たしています。

また、WWDC 25で発表されたMetal 4にもフルで対応しているので、ゲーム性能についても期待できそうです。

Neural Engine

Neural Engineも引き続き強化されている模様。ただ、今回は理論性能が明かされておらず、おそらく、40~50TOPS程度であると見られるものの、具体的にどれほどの性能があるかは不明です。

コア数も変わらず16コア。

ただし、メモリが高速化されているので、実効性能自体はかなり向上していると思われます。特にM5搭載のデバイスでは、トレーニングよりも推論のほうがメインなので、モデルが展開されたメモリの速度が向上するというのは、ユースケース的にもかなり利点に働くような気がします。

CPUではSVE/SMEによるAI Accelerator、GPUはNeural Accelerator、そしてNPUとしてNeural Engineを搭載する事により、SoC全体でAI性能を向上させているようです。

搭載製品

搭載製品は、MacBook Pro 14インチ、iPad Pro、Apple Vision Proの3製品です。MacBook Proについては、上位モデルがM4 Pro/M4 Maxのままなので、ラインナップ全体のアップデートは今後登場するであろうM5 Pro/M5 Maxを待つことになります。

余談

最近、AppleがApple Siliconの進化点をそこまで詳しく明かさないようになってきたように感じます。昔は、GPUとNeural Engineの理論性能を明かしていましたが、いつしかGPUの理論性能を明かさなくなり、ついにはNeural Engineの性能も明かさなくなりました。

もちろん、理論性能と実効性能が異なるものという認識は必要ですが、一つの性能指標として見るには面白い材料だったのですが・・・。

トランジスタ数もわかりませんしね。

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