
MediaTekは、新型のフラグシップのスマートフォン向けSoC「Dimensity 9400」を発表しました。
Dimensity 9400
Dimensity 9400は、MediaTekの第2世代All Big Coreデザインを採用しています。全部がBig Coreとあるように、すべてのコアがPコア以上のグレードのアーキテクチャとなっています。具体的に見ていきますと、最大3.63GHzで駆動する最新のCortex-X925を1コア、一世代前のCortex-X4を3コア、Cortex-A720を4コアで構成されています。Cortex-X925はArmv9.2をサポートしているアーキテクチャ担っています。
通常Cortex-Xシリーズは、プライムコアで採用されるようなプロセッサであり、XとAのみで構成される場合、PC向けの高性能SoCであることが多いのですが、Dimensityではそれをスマホに落とし込んでいます。
CPUキャッシュもL2キャッシュが2倍に、L3キャッシュが1.5倍(12 MB)に増えています。
Cortex-X925の採用によってシングル性能が35%、マルチコア性能が28%向上しています。
GPUは12コアのImmortalis-G925を採用しており、ピーク性能が41%、レイトレーシングの性能が40%それぞれ高くなっており、電力効率も向上したため消費電力は最大44%削減されています。
ゲーミングについては、Arm ASRをベースに開発された超解像度技術「HyperEngine's Super Resolution」を含むMediaTek HyperEngine Gaming Technologiesにも対応しており、スムーズで安定したフレームレートを実現しているとのことです。
NPUには第8世代のMediaTek NPU 890を内蔵しており、モバイル向けSoCとして初めてオンデバイスでLoRAトレーニングと高品質なオンデバイス映像生成に対応しているとしています。更に、拡散生成性能が100%mLLMプロンプトの性能が80%向上しています。電力効率も35%向上しているとしています。
内蔵モデムはSub-6で最大7 Gbpsを実現するほか、トライバンドWi-Fi 7は最大7.3 Gbpsを実現しています。それ以外ではBluetooth 5.4にも対応しています。
I/Oは、メモリがLPDDR5X-10667、ストレージがUFS 4+MCQに対応しています。メモリが高速化されているため、GPUやNPUの性能にも影響しているものと考えられます。
ディスプレイや映像・カメラ関係ですが、WGHD+ 180Hzの対応と、最大320 MPのイメージセンサーに対応、8K/60fpsの撮影にも対応しています。
TSMCの第2世代3nm(N3E?)で製造されており、パッケージ全体で40%の電力効率向上が図られています。
投入
Dimensity 9400を搭載したスマートフォンは、2024年第4四半期から入手可能としています。