Arm、Armv9.2対応の小型IP「Cortex-A320」を発表 〜 Armv9の中で最小・エッジ向けに最適

3行まとめ

Armは、Armv9.2採用の小型IP「Cortex-A320」を発表しました。

Cortex-A320

Cortex-A320(出典:Arm

Cortex-A320は、Cortex-A35の後継となる小型IPで、おもにエッジ向けの製品となっています。

基本的には、Cortex-A520をベースに面積と電力を改善するために変更が加えられています。フェッチ・デコードデータパスの帯域の減少と、高密度L1キャッシュ、整数レジスタファイルのポート数の削減が含まれたマイクロアーキテクチャの最適化が中心となるようです。

全世代となるCortex-A35からの主な変更としては、Armv9.2に対応したことによるSVE2への対応などによるAI性能の向上が中心となっています。Cortex-A35と比較してint8機械学習性能が10倍に、スカラー性能も30%向上しました。また、BF16など新しいドット積や行列乗算命令をサポートすることで、Cortex-A53よりも6倍高い機械学習性能を実現しています。

これらの変更により、Cortex-A320は全てのCortex-Aシリーズの中で、最も機械学習が効率的なコアとなっています。

Cortex-A320は、Cortex-Mシリーズや、Armv8系のCortex-Aの双方からの移行に最適となっており、Armv8と互換性を維持しています。

特に、Cortex-M85の場合、メモリの関係で動作が難しかったモデルも、A320では動作可能であると主張しています。

また、AndroidやLinuxなどの汎用的なOSだけでなく、RTOSもサポートしており、小型デバイスからIoT・組み込みまでをカバーした汎用的な小型IPとなっています。

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