錦です。
AMDは、ハンドヘルドゲーム機向けの新しいAPU「Ryzen Z1」シリーズを発表しました。
ハンドヘルド
ハンドヘルドゲーム機とは、AYANEOのようなコントローラが左右についたタイプのコンピュータフォームファクタです。
ハンドヘルドゲーム機としては、はるか昔にPSPやPS Vitaのようなゲームコンソールがあり、そして現代にはNintendo Switchがあります。そして、近年はCPU内蔵のGPUの性能が向上したこと(特にRyzen)によって、普通のPCの一部としてハンドヘルドゲーム機が登場するようになっています。例としてはAYANEOが挙げられます。
RyzenはそのハンドヘルドゲーミングPCで非常に高いシェアを誇っています。AYANEOはRyzenを採用している他、Valveが販売している「Steam Deck」もRyzenブランドではありませんが、カスタムAMD APUが搭載されています。AMDはハンドヘルドゲーム機に対して、これまでラップトップ向けの末尾UのAPUを提供していましたが、今回はハンドヘルドゲーム機用のAPUを発売しました。
Ryzen Z1
「Ryzen Z1」シリーズはそのハンドヘルドゲーム機用のAPUです。「Ryzen Z1」と「Ryzen Z1 Extream」が提供されます。
仕様を以下にまとめます。
Ryzen Z1 | Ryzen Z1 Extream |
|
---|---|---|
CPU | Zen 4 | Zen 4 |
コア/ スレッド |
6C/12T | 8C/16T |
L2 Cache | 6MB | 8MB |
L3 Cache | 16MB | 16MB |
GPU | RDNA 3 | RDNA 3 |
CU数 | 4 | 12 |
cTDP | 15~30W | 15~30W |
Ryzen Z1シリーズは、Zen 4 CPUとRDNA 3 GPUから構成されます。GPUについてはRadeon Super Resolution(RSR)の他、Radeon Chill、Radeon Image Sharpening、AMD LinkなどのGPU機能がAdrenalinを通して利用できます。RDNA 3搭載ということなのでおそらくハードウェアレイトレーシングにも対応するものと見られます。
インターフェイスとしては、USB4をサポートする他、メモリではLPDDR5やLPDDR5Xをサポートするとしています。
AMDはWindows 11とXbox Game Pass Ultimateとの親和性を強調しており、Ryzen Z1の「Smart Power Management Technology」によって優れたバッテリー駆動時間でゲームがプレイできるとしています。
性能
性能についてはある程度高くなっているようです。720pを1080にRSRでアップスケーリングし、低い設定にしたとき、CS:GOやGTA V、Forza Horizon 4と言った比較的軽量なゲームでは3桁FPSを発揮でき、CS:GOについてはRyzen Z1 Extreamで平均して217.5 FPS、Ryzen Z1で平均149.8 FPSの性能が出るとしています。
RDNA 3は非常に高い評価を得ており、Ryzen Z1 Extreamと同じ構成・規模の「Ryzen 7040」シリーズはグラフィック性能の高さが発売前から噂されています(GTX 16シリーズと同等程度とされています)。
詳しいグラフは以下を参照ください。
搭載製品
搭載する製品はASUSから登場します。ASUSは今月発表した「ROG Ally」にRyzen Z1シリーズを採用します。
ROG Allyは5月11日に詳細が発表されるとのことです。なお現時点でeGPUに対応することやデザインが明らかになっています。