錦です。
Qualcommは、同社のSoCラインナップ「Snapdragon」向けに「Snapdragon Game Super Resolution(GSR)」を追加したことを発表しました。
GSR
GSRは、Qualcomm独自の超解像度技術です。競合企業として、AppleはすでにMetal 3に「MetalFX Upscaling」という超解像度技術を導入しており、それに継ぐ形になりました。AMDのFSRもモバイル向けに対応しているゲームがあるのでこちらも競合となります。
GSRの特徴としては、レジスタやテクスチャサンプル、ALU命令を減らして、アップスケーリングとエッジシャープニングの処理を一つのパスでまとめて行うようにしています。これによって遅延やメモリ帯域の使用量が減り、消費電力の削減とともに高速化が可能となります。なお、FSRでは2パスで処理されています。
比較として、FSR 1.0と同等のクオリティをBilerpよりも高速に提供するとのこと。Qualcommのリリースでは、あるシーンにおいて540pの入力を2倍スケールし1080pにするサンプルにおいて、Bilerpの結果とGSRの結果を比較する画像を公開しています。これをみると、Bilerpと比較してGSRは輪郭がくっきりしているように見えます。
なお、最大スケール倍数は2倍となっています。
超解像度メリット
超解像度のメリットとしてはいくつか挙げられます。まず、FPSを維持しながらグラフィックスの解像度を向上させることが可能、あるいはその逆でグラフィックスの解像度を維持したままFPSを上げることが可能です。また、消費電力を抑えることにも利用できます。
これらはGSRのみならずMetalFX UpscalingやFSRなどにも言えることですが、特筆すべきなのはQualcommが作っているということであり、初めてSnapdragonでネイティブで動作するアップスケーリング技術となりました。
互換性
前述の通り、GSRはSnapdragonと他のモバイルGPUでも利用可能であるとしていますが、Snapdragonで最高のパフォーマンスを発揮するとしています。
対応するゲームとしては、「Call of Duty Warzone Mobile」や「Hade Dynasty:New Fantasy」、「Return to Empire(重返帝国)」、「Justise Mobile」、「Naraka Mobile」、「Farming Simulator 23 Mobile」が挙げられています。